20世紀を代表する偉大なジャズ・ポピュラーシンガー
ジャズ・ボーカリストであり、ポピュラーシンガー。映画俳優でありアイドル的存在。フランク・シナトラは20世紀を代表する偉大なエンターテイナーの1人でした。卓越した歌唱によって世界中のファンを虜にし、数々のミリオンセラーを生み出しました。
そして多くのミュージシャンに影響を与え「My Way」や「ニューヨーク ニューヨーク」など生み出された曲は、現在もCMや映画の挿入歌、ドラマ、カバー曲など様々なシーンで流れ、日本を含め今もなお世界中で愛され続けています。この記事ではシナトラの経歴、功績、実は有名なマフィアとの関係などスキャンダラスな一面も紹介していきます。
フランク・シナトラの経歴
フランク・シナトラは、1915年にアメリカのニュージャージー州で誕生。
ラジオの影響から歌手を志すようになり、20歳に「ホーボーケン・フォー」の一員として歌手デビュー。
ラジオ出演や全米を巡業しながら、バーのラウンジで歌っていたところ、才能を買われて当時人気トランペッターであったハリー・ジェイムスによる楽団「ミュージック・メーカーズ」の歌手として念願のプロデビューを果たしました。
この頃から人気に火がつき、翌年にはトロンボーン奏者であるトミー・ドーシーの楽団へ移籍。若い女性層を中心に多くのファンを魅了するようになりました。
また世界で初めてマイクをスタンドから取り外して歌ったのはシナトラです。現代では珍しくありませんが、当時は大変話題になりました。
そんなシナトラも第二次世界大戦時には他の若者と同じよう徴兵されるはずでした。
しかし彼は出生時に難産だったため鼓膜が破れており兵役は不合格となりました。そのため、慰問部隊の歌手としてアメリカやヨーロッパの基地などを回りました。
シナトラの存在は、当時の若い女性達にとって戦争に行った恋人の代わりのような存在として、大変人気を集めました。劇場公演では観客の女性が興奮のあまり気絶してしまうなど、信じられないほどの熱狂を持って迎えられていたそうです。
「Q誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」で第3位
イギリスの月刊音楽雑誌である「Q」（通称、Q誌）が2003年に発表した、“歴史上最も偉大な100人のシンガー”において、1位のエルヴィス・プレスリー、2位のアレサ・フランクリンに続いてシナトラは3位に選ばれています。
ポピュラーシンガーのパイオニアとしての実績や世界中での活躍が評価されており、大統領自由勲章を受賞したことも影響したのかもしれません。一般層だけでなく政界などにもファンが多く、歌手としてはそう簡単に辿りつけないポジションに、シナトラはいました。
俳優としてアカデミー賞を受賞
シナトラは歌手としてだけなく、俳優としての活躍もめざましいものがありました。
1953年に出演した「地上より永遠に（From Here to Eternity）」ではその演技を高く評価され、アカデミー賞助演男優賞を受賞しました。
他にも、同作でゴールデングローブ賞の助演男優賞、1958年の「夜の豹」ではミュージカル・コメディ部門の主演男優賞など、俳優としても輝かしい経歴を持っています。歌えて演技もできるというマルチな才能の持ち主であることも、女性ファンからの熱い視線を集める大きな要因の一つであったことでしょう。
マフィアとの黒い関係、ケネディ暗殺にも関与？
歌手、そして俳優としても世界中に評価されていたシナトラ。しかしそんな彼の背後には、デビュー当時からイタリア系マフィアと繋がりがあったとされており、この事実は彼の後を生涯ついてまわりました。マフィアとの関係の深さを物語るものとして、アカデミー賞を受賞した「地上より永遠に」に出演したのは、実は大物マフィアの援助があったおかげだというエピソードもあります。
さらに、シナトラとマフィア関係者の交流の事実を記録したFBIによる資料が公になっており、その資料はなんと2,403ページにも及ぶものであるというから驚きです。
マフィア関連において最もスキャンダラスなのが、ケネディ大統領との関係です。シナトラのバンドメンバーがジョン・F・ケネディの妹パトリシアと結婚したことをきっかけに、シナトラもケネディらと親しく交流するようになりました。
背景を知るとまた違う楽しみ方も
歌手や俳優としては絶大な支持を誇っていたフランク・シナトラですが、その影にはスキャンダラスな出来事が多くありました。しかし、後世にも残るスタンダードとして名曲を多く生み出し、ナット・キング・コールやカーメン・マクレエをはじめとする多くのミュージシャンに影響を与えてきたことは事実です。
今一度、こういった背景に目を向けながら彼の歌声に耳を向けてみると、より刺激的で深みがあるように聞こえるのではないでしょうか？
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