人類が初めて月面に降り立ったアポロ11号の月面着陸

                    

人類初の快挙、月面着陸の瞬間

1969年、アメリカのアポロ計画によって初の月面着陸が成功しました。アポロ計画において五度目となった有人宇宙飛行であり、それまで未知であった月面調査でも大きな飛躍を見せました。

月に到着したのは合計12人で、全てアメリカの宇宙飛行士でした。特に月面に直接降り立った主搭乗員のニール・アームストロング船長の姿は、当時の人々に大きな感動を届けました。

サターンV型ロケットに乗った搭乗員達はケネディ宇宙センターから発射され、しばらくの航行のあと、いよいよ月へ到着。着陸船イーグルで月面に着陸した船長達でしたが、到着時点で燃料は残り25秒であったそうです。アームストロング船長の心拍数は150を超え、到着に際してかなりの緊張状態にあったようです。

また、着陸船のハッチから出入りする際には飛行士達の心拍数が最高値まで上昇していたといいます。このことから、宇宙空間では一挙一動に極度の緊張と勇気がいるものであることがわかります。一般人である私達からすると想像を絶するほどの体験だったでしょう。

月面に降り立った彼らは、様々なミッションを行いました。月面を歩いたりジャンプしてみたりして重力を確認し(月の重力は地球の6分の1)、軽やかな足取りを確かめていました。ほかにも地震計やレーザー反射鏡などの装置を使って化学実験を行ったり、月の土壌や岩石をサンプルとして採集し、宇宙研究のために大きな成果を残しました。

月面からの帰還、エンジントラブル

様々なミッションを終えた飛行士達は、不要になった機材を破棄して宇宙船に乗り込んで初めての睡眠をとりました。その後、エンジンを点火して月から離陸して帰還の道を進み出しました。

あまり多くは知られていませんがこのエンジン点火時に、実は搭乗員のオルドリンはエンジンのブレーカーを壊してしまったそうです。しかし、幸運にも持ち合わせたボールペンの先を使ってスイッチを入れることに成功し、無事離陸することができました。もしこの時、ボールペンもなくエンジン点火ができなければ、彼らは月面に取り残されるほかなかったといいます。

このように、普段ではとても小さく思えるような出来事でも、宇宙空間では生死に関わるほど影響力が大きいことが分かります。

月面を離陸した後は、司令船コロンビアとのドッキングに成功して無事に地球まで帰還しました。

帰還後、搭乗員は隔離!?

地球に無事帰還した搭乗員達でしたが、決してすぐに家へ帰れるわけではありませんでした。太平洋上に着水した彼らはヘリコプターによって回収後、すぐさま隔離病棟へ連れて行かれました。

これは月面からウィルスや病原菌などを持ち込んでしまっていないかを検査するためで、まだ月や宇宙に関して未知な部分が多かった当時の対応としては、至極まともなものでした。

検査の結果、彼らから病原菌などは発見されず問題がないことが分かると解放され、アメリカ各地のパレードで盛大な祝福を受けました。

月面着陸は捏造だとする陰謀論も勃発

「アポロ11号による月面着陸は捏造だった」と、声高に訴える人々が存在することを知っているでしょうか。当時冷戦下にあった国際情勢を踏まえるとなんだか本当のようにも感じてくるものですが、なんともロマンに欠ける意見です。

彼らの主張によると、“月面で撮影された写真に星が写っていない”、“月面は真空のはずなのに国旗がはためいている”、“着陸船の影に当たる部分も、写真にはっきりと写りすぎている”、“宇宙飛行士を吊り下げるワイヤーが写真に写りこんでいる”…などなど、重箱の隅をつつくような文句がたくさん届けられており、中には政治的な陰謀だとする声もあります。

ここ日本でもテレビ番組などで捏造説が取り上げられ、ゴシップ好きな人々にとってはたまらない話題として注目されてきました。

こうした意見に対してNASAは事細かに説明をしており、全て認識の違いが原因であったり公開されていない情報の関係であったりと、捏造説を否定しています。

さらに、2014年にはコンピューターのチップメーカーであるNVIDIA社が最新のグラフィック技術を用いて当時の月面着陸の写真を分析し、光の当たり方などを再現することに成功しました。

つまり、“写真の光が変だ”という意見を真っ向から否定する事実を証明し、捏造説を断絶する結果となりました。これは宇宙へのロマンを持つ人々にとっては、ほっと胸を撫で下ろすことができた知らせでした。

少しずつ現実に近づいてゆく宇宙旅行

21世紀となった現在でも、一般人による宇宙旅行などはまだ映画や物語の中だけにとどまっています。しかしながら、こうしたアポロ11号による月面着陸などを始めとして多くの宇宙研究が進められており、いつか私達も気軽に宇宙へ旅立てるようになるのも夢ではないかもしれません。

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