第二の人生は起業! 事前にココを押さえておこう

                    

セカンドキャリアで起業したいと考えても、会社経営の経験がないと、何から準備すればよいのか分からない、という人も少なくありません。
本記事では、セカンドキャリアとして起業を検討する場合に準備しておくべきことや、起業時の注意点などについてまとめましたので、ぜひ最後までチェックしてください。

起業する前に知っておきたいこと

起業する前に知っておきたいことは、基本的に自分がこれまで積み上げてきたキャリアを活かせる業界や職種での起業が成功しやすいという点です。

例えばソフトウェア開発の業務経験を積んできた方であれば、フリーのブログラマーやスマホアプリの開発に取り組むと成功率は上がります。逆に例えばこれまでやったこともない飲食店経営であれば実際に飲食店でアルバイトをしてみる、経営の勉強をするなど、不足している知識と経験を補わないと成功にこぎつけるのは難しいでしょう。

これまでの知識や経験を活かした起業なら、成功する確率が高いと認められやすく、資金の融資なども受けやすくなります。国や自治体が積極的に行っているシニアの起業支援の助成金や補助金など(※1)の審査も、事業計画書さえしっかり書ければ、審査が通る可能性が高まるでしょう。

また、営業経験が豊富で取引先との関わりで人脈を培ってきた方は、その人脈を最大限に活用することで、起業が成功しやすくなります。案件を紹介してもらう、実際に協業するなど、どのように人脈を活かすかイメージしておきましょう。

シニアの起業成功例に人脈が活きた例は、インターネット上でも多くみられます。例えば銀行や一般企業で働いていた会社員が独立起業し、飲食店やコンサルティング業を行なっている事例では、前職で繋がりのあった飲食店のオーナーに掛け合い、飲食店のFC化を引き受けたり、同じく前職でのクライアントの中小企業に向けてコンサルティング業をおこなったりしています(※2)。この事例では、クライアントとのつてで仕事が生まれ、結果的には安定した起業のスタートにつながっていることが分かります。

起業する前に準備しておくこと

起業する前に準備しておきたいことについて、主なものを3点にまとめました。

  • 自分を知る
    まず、起業をするにあたって自分がどのような事業家を目指しているのかをイメージしましょう。そのためには、自身がどのようなスキルを持ち、どのような仕事に生きがいを見出すか、「自分自身」を客観的に把握する必要があります。
    キャリアの棚卸しや自分の理想とする生き方について、自身と向き合って自分をより深く理解しましょう。時には、キャリアカウンセラーなど第三者に自己分析を手伝ってもらうのも有効です。
  • 起業に際して必要な知識を身に付ける
    起業に際して身に付けておきたい知識として、経営の基本やお金の流れを把握する経理などがあります。これらは、単に起業するだけではなく、安定した経営を続けていくために必要不可欠な知識です。これらの知識は、地方自治体で開催している起業セミナーなどを利用することで勉強できます。
    パソコンの操作も学びましょう。インターネットでの情報検索、クラウド会計ソフトを使った会計処理、確定申告など、事業を経営する中で、パソコンを使えるようにしておくと可能になることが増えます。
  • 国や自治体が積極的にシニア起業支援を行っているので活用する
    起業をする場合は、国や地方自治体がシニア起業支援で助成金や補助金(※3)を出していますので積極的に活用しましょう。助成金や補助金の申請には、事業計画書が必要です。自分の事業がうまくいくかどうかを検討するのに、事業計画書の作成はとても役立ちます。経営に慣れていない方も、事業計画書は書けるように勉強しましょう。

起業する際の注意点

ここまでは起業について解説してきましたが、最後に、起業する際の一般的な注意点について4点ほど説明します。

  • 全然違う業界の起業は慎重に(身の丈に合った起業を)
  • 年金や生活費の実態を把握して事業での利益はあてにしない計画を
  • 黒字倒産に注意!経営と会計についての知識を身に付けよう
  • 高額の自己啓発セミナーに注意

繰り返しになりますが、経験のない業界での起業は慎重にしましょう。初期投資は少なく、身の丈に合った起業を意識することで成功の確率も高まります。

また、年金や生活費の実態を把握して、事業で得られる収入はあてにしないでも生活できるように私生活面の見直しをしておきましょう。資金繰りに余裕を持つことで、じっくりと事業に取り組めます。

起業に必要な知識でも紹介しましたが、経営と会計の知識もしっかり身につけてください。お金の流れが分かっていないと、損益計算書では黒字なのに、資金繰りがうまくいかず「黒字倒産」を招く危険性があります。「資金回収はできるだけ早く、支払いはできる限り遅くする」ことを念頭に置いた資金繰りをしてください。

起業や経営に関する勉強の場として、高額な自己啓発セミナーを選ぶ方もいるかもしれません。しかし、自己啓発セミナーを受講する前に、地元の自治体や商工会議所が開催している起業セミナーや「創業塾」などに参加してみてください。割安の価格で、起業に必要な事業計画書の書き方や、会計の基本などを学べます。地方自治体主催の講義をひと通り受けた後、さらに足りない部分を補う形で学ぶと、お金を有効活用できます。

着実な準備で起業を成功させよう

準備を着実に行うことで、シニアの起業は十分可能です。特に「経営」や「会計」の知識は、起業を目指すのであれば避けて通れません。在職中の時間のあるうちに、これらの知識をじっくり学んでおくと良いでしょう。

自分がどのような事業家になりたいか、理想像を明確にするための自己分析も進め、足りない部分の知識も補うよう行動してください。

【引用元】
※1 ※3
日本政策金融公庫
女性、若者/シニア起業家支援資金
※2
EXANET(エクサネット)
起業家File.032中島 実さん 株式会社東京バンカーズトラスト 代表取締役
※3
厚生労働省
中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース)

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