海外移住 おすすめ移住先と手続きを解説

                    

定年後は海外に移住し、物価の安い国で悠々自適に生活したいと考えている人も多いのではないでしょうか。
世界の多くの国では年金受給者を対象とした「リタイアメントビザ」を発行しており、外国人を対象としたシニアを受け入れる制度が整っています。憧れの海外移住について、オススメの国や必要な手続きなどを見ていきましょう。

海外移住にオススメの国は?

シニア世代が海外に移住する場合、チェックしたいポイントが「ビザの取得しやすさ」「物価」「現地での生活のしやすさ」の3つです。この3つの観点から、海外移住に特にオススメの国をご紹介します。

◼️マレーシア

ロングステイ財団の調査によると(※1)、2006年から13年連続で日本人の移住先として人気No.1のマレーシア。人気のポイントである「MM2H(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)」は年齢制限がないほか、取得すると10年間マレーシアに長期滞在できて、以降の延長も可能です。

そのほか英語が通じることや2019年現在の物価が日本の約1/3であること、温暖な気候のほか首都のクアラルンプールには「伊勢丹」や「ららぽーと」なども進出しており、日本に近いライフスタイルを送ることができます。

MM2Hの取得条件は以下の通りです。(レートは2019年8月30日現在の1リンギット=25円(※2)で計算)

  • 50歳以上
  • 35万リンギット以上(約880万円)の財産証明
  • 毎月1万リンギット(約25万円)以上の収入証明または年金証明
  • 仮承認後、現地銀行に15万リンギット(約375万円)以上の定期預金
  • ※3

◼️タイ

ロングステイ財団の調査(※4)で8年連続、希望の移住先として2位をキープしているタイ。日本の半分ほどの物価と「ほほえみの国」という言葉に代表されるタイの人々の暖かさ、英語が通じることなどが人気の理由です。タイでは50歳以上で取得可能なリタイアメントビザ「Oタイプ」の取得が必要です。

Oタイプビザの取得条件(※5)は以下の通りです。(レートは2019年8月30日現在の1バーツ=約3.5円(※6)で計算)

  • 現地に80万バーツ(約278万円)以上の預金
  • 月6.5万バーツ(約25万円)以上の年金収入
  • 預金と年金の年間収入の合計が80万バーツ(約278万円)以上
  • ※7

◼️フィリピン

リゾート地として有名なセブへの移住が人気のフィリピン。気候の良さと物価の安さ・英語が通じることで、ロングステイ財団の調査(※8)では移住先としてハワイに次ぐ4位の人気です。

フィリピンのリタイアメントビザ(SRRV)(※9)の取得条件は以下の通りです。(レートは2019年8月30日現在の1米ドル=約106.3円(※10)で計算)

  • 50歳以上の年金受給者であること
  • 1万米ドル(約106万円)の預託金と毎月800米ドル(約85,000円)、または夫婦で1,000米ドル(約11万円)の年金証明
  • 年金受給者でない場合(※11)は2万米ドル(約212万円)の預託金(※12

ここで紹介したどの国も日本より物価は安いですが、年々物価は上がっているので試算はしっかりと行ってください。またビザの取得条件なども変更となることがあるので、外務省のHPで確認をしておきましょう。

海外リタイアメント移住、必要な準備は?

憧れの海外リタイアメント移住に必要な準備を見ていきましょう。以下は移住の3か月前から準備をスタートしたいリストです。

  • 移住先の情報収集
  • 健康診断・歯科検診
  • 航空券の予約・購入
  • 一時滞在先の予約
  • 郵便物の転送届・住所変更
  • 保険の住所変更
  • 水道・ガス・電気・ネットの解約
  • 役所での海外転出手続き
  • 各種税金の支払い
  • 免許証の更新
  • 携帯電話の解約
  • そのほか書類の手続き
  • 現地で年金を受領する手続き

国によってはパスポートの必要残存期間が異なったり、予防接種とその証明書が必要になるなど必要な書類が異なりますので、移住予定先の情報をしっかり確認しておきましょう。

また各種税金の支払いにおいて税金支払通知書を入手する前など、支払うことができない場合はあなたに代わって納税をおこなう納税管理人を選定し、役所に書類を提出する必要があります。

移住後に必要は手続きは?年金受け取り方と健康保険

シニアの移住にとって欠かせないのが、年金の受け取りや健康保険です。年金についてはまず役所で「海外転出届」を提出した後、日本年金機構のホームページから必要書類をダウンロードして必要事項を記入して、年金請求を行いましょう。

年金記録の確認をしてもらったほうがいいケースもあるので、年金請求は全国各地にある日本年金機構の事務所に出向いて確認した方が安心です。提出する一通りの書類の中に、住所変更と振込口座の届け出がひとつになった「年金の支払を受ける者に関する事項」があり、これが海外送金先を確認するための書類となります。海外での年金受給は日本と同じで、2か月に1回指定銀行口座に振り込まれます。

また年1回の「現況届」は忘れずに提出しましょう。現況届を受領したら、誕生月を含めた過去6か月以内の「在留証明書」を添え、年金事務所に返送する必要があります。在留証明書は現地の領事館などで発行してもらえます。現況届の提出を忘れると年金が受領できなくなりますので、誕生月の末日までに必ず提出しましょう。

また現地での健康保険は、現地で公的保険や私的保険に加入することが一般的です。旅行会社が提供している海外保険を利用することも出来ますが、このような海外保険は通常海外渡航期間が1年以上になる移住などには適用されません。

憧れの海外移住は下調べがカギ!

海外移住を検討する場合は「どこへ行きたいか?」ではなく「どんな人生を送りたいか?」ということをまず考えてみましょう。

生き方を見つめることで、自然と行き先も決まってきます。海外移住は現地情報や年金の受け取り方などの準備と下調べが大切です。まずは情報収集として、移住希望地候補をピックアップすることからスタートしてみてはいかがでしょうか。

【引用元】
※1 ※4 ※8
ロングステイ財団
『ロングステイ希望国・地域2018』トップ10を発表
※2
Google
リンギット、円、レート 検索結果
※3
MM2H Official Portal
ABOUT MM2H PROGRAMME
※5 ※7
在東京タイ王国大使館
ノンイミグラント-O (年金受給者) 必要書類
※6
Google
バーツ、 円、 レート 検索結果
※9 ※11 ※12
Philippine Retirement Authority
THE SRRVISA

※10
Google
ドル、円、レート 検索結果

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