【見出し】中年太りにまつわる誤解とは?

男女ともシニア世代になると目立ち始めるお悩みといえば、「中年太り」、「薄毛・脱毛」、「年齢肌」ですね。

「薄毛・脱毛」、「年齢肌」は加齢によって基礎代謝が落ちることで起こる老化現象です。一方の「中年太り」も壮年期から初老にかけて起こりやすい老化現象の一つだと思われがちですが、実はそうとは限らないようです。

今回はこのしられざる「中年太り」の秘密に迫ってみたいと思います。

 

【見出し】50代〜70代にかけての体型の変異

「中年太り」は文字通り中年期(40代〜50代)にかけて男女ともに頻発する初期の老化現象と認識されています。しかし、60代後半から70代にかけては筋肉量が落ち全体的にやつれたような体型の人が多いですよね?

65歳以上の高齢者になると心拍数、呼吸量、血流量が顕著に落ち込みますが、これは基礎代謝が落ちたことを意味しています。つまり、高齢者に多いやつれたような体型の原因は基礎代謝の落ち込みによる筋肉量の低下にあるのです。

では、基礎代謝が落ち込むとはどういうことでしょうか?

「基礎代謝」とは特別な運動などをしなくても、生きていくために必要な生理的な代謝活動で消費されるエネルギーを意味する言葉です。つまり、積極的な運動などを行わなくとも内臓を動かし、食事や排泄など基本的な活動をしているだけで消費するエネルギー量のことで、成人男性の場合は1500kcal前後、成人女性では1200kcal前後が必要と言われています。

したがって、基礎代謝が落ち込むということは体内の生理的な活動自体が緩やかになり必要とするエネルギー量も相対的に目減りすることになります。(基礎代謝は20代をピークにして、年齢を重ねるたびに緩やかに落ちていきます。)

今までは中年期にはそれまでと同じような食生活を送っているためにカロリー摂取過多となることが原因で中年太りが起こるというのが定説でした。

しかし、人体の神秘はもっと深遠で複雑です。

もし、この定説が正しいとするならいろいろな矛盾点がでてくるのです。

その最大の問題点がカロリーベースの今までの基礎代謝の計算方法にあるといえるでしょう。近年の研究では高齢者ほど基礎代謝の落ち込みによって筋肉量が減ってしまうため、高齢者ほど動物性たんぱく質が必要だという考え方がスタンダードになってきました。もし、従来の「中年太り説」が正しいとするのなら、高齢者は“基礎代謝が落ちているから摂取カロリー量も抑えていい”という考え方になり、最新のスタンダードな理論(高齢者ほど高カロリーな肉が必要)とは矛盾してきます。

人は生きている限り体内で代謝活動を行うので、食事による栄養補給は欠かせません。しかし、高齢者になると基礎代謝が落ち込むことで食事量も落ち、食が細くなってしまいます。

「高齢者ほど高カロリー高タンパクな食事が必要なはずなのに、食が細くなって摂取カロリーが落ちてしまうとどうなるでしょう?」

そう、体力は落ちていく一方ですよね。体力が落ちていくということは「老化が加速する」ということを意味しています。

こうして、食事から摂取するカロリー量が減ってしまうことに備えて、脳は「脂肪を蓄えて、将来の食細りに備え」ようとするのです。

もう少し具体的に言えば、

「老化現象に任せていてはやがてやせ細り、栄養失調になって重大な健康被害の発生が懸念されるため、エネルギー源である脂肪を少しでも多く確保しておこう」

という指令が脳から出されるのがちょうど中年期であり、そうして中年太りが起こると考えれば最新の高齢者の健康理論とも整合性が保たれるということになります。

と、いうことは中年太りは脳の正常な判断に基づく生理反応なので、健康な証拠でもあるのです。

以上のことからも、単に各年代ごとの基礎代謝で消費されるカロリーだけを算出して、健康維持のためにその消費カロリー以内に摂取量を抑えて、ダイエットすることが健康維持の秘訣と考えるのには無理があるということになりますね。

 

【見出し】とはいえ、過ぎたるは尚及ばざるが如し

老化現象は誰にも起こる自然な現象です。しかし、体内では少しでもそれを先延ばしにしようとする「無意識の意識」が作用し、最大の懸念である“エネルギー源の備蓄”体制に入ります。

したがって、中年太りはある程度許容してそれほど悲観せず、高齢者になってからのエネルギーの貯金をしていると考え、基礎代謝をできるだけ高いレベルで維持できるような日常生活を心がけるようにすれば、“老いて尚盛ん”な人生を楽しめるのではないでしょうか?

しかし、何事も「過ぎたるは尚及ばざるが如し」の言葉通り、「エネルギー源の備蓄だから」を過食の言い訳にして、暴飲暴食を重ねることは生活習慣病への最短距離を邁進することになるので、何事も「ほどほどに」を心がけながら日々の生活を送るようにしてください。

最新の運動理論では有酸素運動と無酸素運動を組み合わせたほうが基礎代謝を上げるのには効果的だという成果が報告されています。

壮年期を過ぎて少し生活にゆとりが出てきたらスポーツクラブやヨガ、ピラティススタジオなどを利用して体力測定をきちんと実施した上で年齢に合わせたトレーニングを行うことで老化は効率よく食い止めることができます。ぜひ、健康なシニアライフを送るためにも適度な運動習慣は身につけ、“健康的な中年太り”になるような心がけを大事にしてください。それが高齢者担ってからの健康維持にも繋がっていきます。