• 海外移住には諸手続が必要

定年退職後海外移住したいと希望しているシニア世代の方が増えています。物価の安い海外で悠々自適の生活を送ったり、昔から憧れていた「あの国で暮らしたい」という夢をかなえるなど、海外移住にはいろいろな楽しみ方があります。

しかし、海外移住する際には、さまざまな手続きが必要になります。たとえば日本での住民票や運転免許証の処理も必要ですし、現地生活のためにはビザ取得の必要もあります。

そこで、今回は海外生活する際に必要となる諸手続について解説します。

  • 住民票の手続き

海外移住する際には、まず日本での住民票をどうするか考える必要があります。

オーソドックスな方法は、海外転出届を提出していったん日本での住民票を抹消してしまう方法です。

海外転出届を提出するためには、自治体の住民登録窓口に行ってパスポートを提示して、移動届に記入します。海外転出届を出すと住民登録が抹消されます。

日本に帰国して住民登録を復活させたい場合には、新しい住所地の自治体の住民登録窓口に行ってパスポートと戸籍謄本、免許証などを提示して転入届に記入して提出しましょう。これによって新しく住民登録することが出来ます。

海外転出届を出して住民票を抹消すると、国民年金への強制加入義務がなくなります。ただ、希望すれば任意に加入を継続することは出来ます。

また、海外転出届を出して住民票を抹消すると健康保険が抹消されることには注意が必要です。このことによって、日本の健康保険は使えなくなってしまいます。

健康保険証も返納しないといけなくなりますので、覚えておきましょう。

 

  • 在留書の提出が必要

海外移住する場合は通常相当の長期間になりますが、海外に3ケ月以上滞在する場合には日本大使館または領事館に在留届を提出しなければなりません。在留届は、郵送やFAX、インターネットでも出来ます。

在留届の用紙は、在外公館窓口や日本のパスポート発行窓口、インターネットにおいて入手できますので、利用しましょう。

氏名が変わった場合など、記載内容に変更があった場合にはその旨連絡する必要があり、帰国の際には「帰国届」の提出が必要になります。

在留届を提出していないと、大使館などによる援助が受けられません。たとえば緊急事態が発生した際には、大使館や領事館員は在留届の情報をもとにして本人に連絡して、安否確認などをして、日本の家族に連絡しますし、確認がとれない場合には捜索してくれます。在外公館で申請する各種の証明書も、在留届の提出が条件となっているものがあります。届け出ていないと、各種の証明書の発行が行なれず、いろいろと不便になってしまいます。このようなことから在留届を提出することはとても大切です。

 

 

  • 運転免許証について

海外移住する際には、運転免許証の手続きも重要です。

海外では車の運転が必須になるような地域も多いです。そこで、海外移住する際には国外運転免許証を取得しておきましょう。

国外運転免許証は、ジュネーブ条約に加盟している国で利用することが出来ます。

移住先として人気の高いアジアやオセアニア、アメリカやヨーロッパなどのたくさんの国で国外運転免許証は有効です。

国外運転免許証の有効期限は、持っている免許証の有効期限の範囲内で、かつ申請発給日から1年間のみであり、更新も出来ません。1年以上海外に滞在する場合には日本の免許証を海外の免許証に切り替えてしまうか、現地で免許証を取得するなどの必要があります。

国外運転免許証の取得を申請する際には持っている免許証と写真(5×4センチ)、パスポートを免許センターや警察署に持参します。手数料が2600円かかります。

なお、ジュネーブ条約に加盟していない国や加盟国であっても、日本の免許証がそのまま使える国があります。但し、レンタカー使用に限定されているなど、その国の規定によって適用される範囲が異なるので、個別にチェックする必要があります。

国外免許申請時に、今持っている免許証の有効期間が1年未満になっている場合や、海外渡航中に免許証の有効期間が失効してしまう場合には、事前更新手続きが出来ます。

また、海外で運転免許証が失効してしまったら、帰国した際に海外滞在を証明するパスポートを持って、更新手続きをします。このとき免許証が失効してから3年以上経っていると、学科試験を受験する必要があります。

 

5.ビザ取得手続き

海外移住するには移住先の国のビザを取得する必要があります。必要になるビザの種類や取得方法はその国によって異なりますので、個別にチェックしましょう。わからなければ、行政書士などの専門家に相談しても良いでしょう。

ビザには「観光ビザ」「就労ビザ」「学生ビザ」などの種類がありますし、ビザ取得手続きにはいくつかのパターンがあります。

1つは、日本で申請手続きをしておいて、ビザ取得の上で海外に行くパターンです。アメリカのEビザやインドの就労ビザなどがこれにあたります。

2つ目は、海外で労働許可を取ってから日本においてビザ申請して、ビザ取得後に現地で働くパターンです。 アメリカのLビザやインドネシア、オーストラリアのビザなどがこれにあたります。

3つ目が、日本でビザを申請取得しておいて、海外に行ってから労働許可証を取得するパターンです。フィリピンやタイがこれにあたります。

4つ目が、海外渡航後ビザを申請取得し、ビザシールを渡されたらそれをパスポートに貼り、 再度入国手続きをしなければならないパターンです。非常に面倒ですが、香港がこれにあたります。

5つ目が、日本では何もせずに渡航先の現地でビザの発行取得手続きをするパターンです。マレーシア、シンガポールなどはこの方法になります。

このように、ビザの手続きは渡航先の国によってさまざまですので、個別にチェックして手続きしましょう。

  • 光熱費、銀行振り替えの清算

海外移住する際には、光熱費の精算も必要です。電気ガス水道、電話などの会社に連絡して停止や精算をしましょう。光熱費の引き落としなど、銀行振り替え手続きがあればそれも取りやめる必要があります。賃貸住宅を利用している場合には、明け渡し日を連絡して解約しなければなりません。持ち家の場合には、誰かに管理を依頼するか、処分するかしましょう。

 

以上のように、海外移住する際には、諸手続が必要になります。移住先の国によっても異なることがあるので、事前にしっかり調査して間違いなく手続きを行いましょう。